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2011シーズン、10年ぶりのリーグ制覇に向けて熾烈な首位争いを続ける東京ヤクルトスワローズ。優勝の行方は、今季限りで退任の決まった名将、落合監督率いる中日の追い上げもあり、最終戦までもつれ込みそうな雰囲気だが、そんななか、球団公式ジュニアチアチーム「Sparkles」は、一足早く、10月8日の広島戦で今季ラストパフォーマンスを迎えた。一週間前の10月2日、僕は、その大切な大一番に向けて行われた合同練習に伺い、子どもたちの表情を取材した。 |
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2011年10月2日(日)合同練習にて |
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午前9時20分、練習開始10分前に会場に顔を出すと、すでにほとんどのメンバーが揃い、ウォーミングアップを始めていた。この日、参加していたのは「Sparkles」以外に5チーム(「A-1ラブクローバー」、「PEPsチアリーダーズ」、「メガロス武蔵小金井チアダンススクール」、「東川口ロミフルズ」、「Tiggers」)。本番当日は、公式チアリーダーのSparklesだけでなく、このすべてのチームが参加し、総勢160名で華やかに試合開始を盛り上げることになっていた。
「笑顔!」
「移動、遅れないで!」
「はいっ」
午前9時30分、個人でのウォーミングアップが終わって全体練習がスタート。振り付けやポジションの確認を中心とした練習が始まると、インストラクター陣の指示する声と子どもたちの歯切れの良い返事が体育館に響き渡った。保護者は誰一人、練習場にはいなかった。場所の広さの関係もあるが、何より子どもたちが普段以上に集中して練習に取り組める環境を作り出すためだった。みな真剣な表情。額には汗が滲む。甘えは一切感じなかった。
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「当日は笑顔で踊りたいし、いろいろアピールしたいです。
ほかのチームに負けないように踊りたいです」
(伊藤りおな/2年生)
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「元気の良い踊りを見せたいです。
そのために、家でもしっかり準備しておきたいです」
(辻瑠美/3年生) |
「今日は、最後までチアスマイルを忘れないで練習できたと思います。
当日は、てきぱきしたダンスが見せられたらなと思います」
(石井万優子/4年生) |
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「Sparkles」は当日、センターで踊る。もちろん、どのチームもどのチアリーダーも重要で欠かせない存在であるが、やはり、公式チアリーダーという看板を背負う以上、どのチームより頑張らなければならないし、リーダーシップを発揮する必要があった。
残念ながら、この日の練習では、一人一人は熱心に取り組んでいたが、チーム全体からリーダーシップと言えるほど強い意気込みや緊張感は感じられなかった。しかし、合同6チームという、普段とはまったく違う環境での練習は、「Sparkles」のメンバーにとって大きな刺激となり、本番を前に改めて公式チアリーダーとしての責任を自覚させたはずだ。 |
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「スタンドのお客さんまで声が届くように歌いたいし、しっかりコールしたい。
センターなのでしっかりと踊りたいです」
(佐々木小夏/3年生) |
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「お客さんに元気を与えて、神宮球場が盛り上がるような
ダンスを見せたいです。」
(関本夏歩/6年生) |
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メンバーは、1万、2万、多ければ3万人以上という観客の前で、1シーズンを通してパフォーマンスを披露し続けてきたことで大きく成長してきた。10月8日はその集大成とも言える日。果たしてどんなチアスマイルを見せ、どんな感動を観客に与えることが出来るだろうか。 |
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