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日常を忘れてその世界に入り込むダンスを! |
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Q.大学卒業後は就職せず、フリーで活動を始めました。現在に至る経緯は?
A.伊藤ハムの友人が上司の方から「会社のアメフト部にチアをつけたい。仕事としてやりませんか?」と誘っていただき、高校時代の友人と振り付けをする事になったのが、Xリーグでチアを指導した最初でした。それから、協会にスポーツクラブでエアロビクスのレッスンを持っている先生がいた関係で、オーディション情報をいただいてスポーツクラブでダンスのインストラクターをするようにもなりました。そこからどんどん広がり、最終的には、卒業して3、4年でスポーツクラブのレッスン12本と、学校は6校を受け持つようになっていました。
Q.振り付けや指導する楽しさは、どんな部分ですか?
A.自分の考えた振り付けを誰かが踊ってくれる事が何より嬉しいですね。あとは、そうした活動を通して、さまざまな人たちと出会える事です。
Q.北垣さんにとってのチアスピリットとは?
A.たぶん、ここが他の方と違う点かと思いますが、私自身は「誰かのために応援する」とか「励ましたい」という気持ちは、あまり強くないんですよね。チアに限らず、自分がダンスに関わり続ける上で大切に思うのは、「踊る側、見る側問わず、集まってくれた人たち全員に、日常を忘れてその世界に入り込んでもらえるかどうか」。
それによって一瞬でも、日常のいやなことを忘れられたり、逆にエネルギーを得てもらえる空間をつくれたら、と思います。
Q.発表は、どんな形でしているのですか?
A.大会に年2回出場して、あとは年1回、自分達で公演を開いています。チームのメンバーは子供たちにチアダンスを教えているので、その生徒の子達や一般の方たちが3,000人くらい見に来てくれます。舞台セットを組み、照明を当て、映像も取り込んだ、ヒップホップ、ジャズ、チアダンスを融合した本格的なショーです。 |
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「ダンス」という大きな枠で捉えることで、世界も夢も、もっと広がる |
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Q.今後の目標は?
A.チアは、もっとエンターテイメントとして取り組むほうが向いているスポーツだと思うので、大会だけに固執はしていません。それよりもエンターテイメントな形で発表できる場を、もっと増やしていけたらと思っています。
Q.現在のチアを取り巻く環境について、どう見ていますか?
A.「チアはチアで」と括ってしまう事は、私自身は、正直どうかな、という気持ちでいます。日本では、チアの人はチア、ヒップホップの人はヒップホップ、ジャズの人はジャズ、と見られがちですが、アメリカでは全然違います。専門分野はあったとしても、ダンスという大きな枠で捉えている。
今、チアを始める女の子がどんどん増えてきていますが、「その子たちが最終的に何を目指すのか?」という問題があります。「将来はチアリーダーになりたい」と思っていても、チアリーダーという仕事はない。となると、指導者の道しか残らない。
そうではなくて、もっとチア自体、つまり、ダンスの世界自体がひろがっていけば、子供たちにも、もっとたくさん、夢を与える事が出来るはずですし、自分自身も、それに貢献出来たらと思っています。 |