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連載インタビューvol.7
前篇 後篇
中山 麻紀子 NFLワシントン・レッドスキンズのチアリーダーとして活躍するなど、プレーヤーとして華々しい経歴を持つ中山さん。しかし、そんな彼女が指導者として伝えようとしているのは、一見地味な、しかし何よりも大切な「人とのつながり」だった。
 
高校までは文化系
 
Q.チアをはじめたきっかけは?

A.高校時代に学校で野球部の応援をすることになった時、「人数が足りないので協力して下さい」と頼まれたのが最初でした。いまから思えばチアの真似事のような応援でしたが、「体を動かして汗をかいて、誰かを応援することは凄く楽しいことだ」と思いました。

Q.それまでは?


A.フルートを習っていたりと文科系でしたので、そういう新鮮さもあったんでしょうね。それで「大学に入学したら絶対にチアをやろう!」と決めました。
 
一生の宝を得た大学時代
 
Q.実際に始めてみてどうでしたか?

A.運動系はあまり取り組んでこなかったので、柔軟性もあまりなくて・・・。でもやらなければチームに貢献できないので、人の倍は練習していました。 当時の仲間は“一生の宝”ですね!仲間と過ごした時間はすごく楽しかったし、良い思い出になっています。いまでも会ったりしていますし。大会に向けて力を合わせて練習をして、みんなで何かをやり遂げるという経験は、本当に貴重だったと思います。

 
絶対に本場のチアを見ておきたい!
 
Q. 4年生になる直前に、オレゴン大学に一年間留学をしたと伺いました。それはチアの勉強の為に?

A. 表向きは語学留学でしたが、自分の中では「もっとチアを習いたい」という気持ちが強くなっていました。この頃はすっかり、チアの魅力に取り付かれていましたね。良いチームと出会えた事も大きいですし、何よりそこまで何かに真剣に取り組みたいと思えたのは初めてでした。なので、「これは絶対、一度本場のチアを見ておくべきだ」と。

Q. さまざまな刺激を受けた。

A. 技術的な事を学ぼうと思って渡米したんですが、実際に現地で学んだのは、「応援する気持ち」や「チームワークの大切さ」でした。これは新鮮でしたね。日本の大学の体育会のような汗を流して必死に「はい!」というのではなく。自然に笑顔が出てくる様子に感動しましたし、「これが、わたしがやっていきたいチアだ」と確信しました。

Q. 単身渡米しての生活は、大変ではなかったですか?

A. 好きな事ですし自分で選んだ道なので、大変とか苦労とか思ったことはありません。もちろん、努力しなければならない事はたくさんありました。トライアウトを受けるだけでも、さまざまな壁がありましたし、アシスタントにして頂いたのも、コーチの事務所まで何度も足を運んで、諦めずに気持ちを伝えた結果でしたし。入部してからも、わたしは車は持っていなかったので、仲間に送迎してもらう代わりに、みんなのお水を運んだり、頼まれたらDVDのダビングを快く引き受けたり、みんなの役に立てるようにしていました。
 
チアとして忘れてはならないこと
 
Q. 当時感じた、日本のチアとの違いは何ですか?

A. 日本の場合、自分たちが良いパフォーマンスをして大会で良い成績を残す事にフォーカスしがちですが、向こうでは「チームのために」とか「見ているお客さんに喜んでもらいたい」という気持ちが非常に強いように思いました。最近はアメリカの大学も、日本と同じ傾向になりつつあるようですが、でもベースは、「自分たちが大会に出て目立つことよりも学校のために応援しよう」というスタイルだと思います。わたしが今、子どもたちに指導する上で大切にしているのもそういうチアです。
 
Q. というと?

A. 以前あるテレビ番組で、子どもたちのチアダンス大会を取り上げていたのですが、自分たちが優勝したいからと、他のチームが失敗するよう祈っている姿が流されたんです。本来のチアスピリッツを考えれば、それはあってはならないことなのに。

Q. お互い応援し合い、尊敬しあった上で技を競い合うのがチアの良さ。

A. テレビ局の製作側は番組を面白おかしく作ろうとしたのでしょうが、それではチア自体も歪んだ形で伝えられてしまう。本来は子どものための教育を一番に考えるべきだと思います。
 
チアリーダーの五箇条
 
Q. では、いま子どもたちに教える上で大切にしていることは何ですか?

A. わたしが子どもたちに話している五箇条があるんです。「応援する気持ち」、「感謝する気持ち」、「笑顔」、「チームワーク」そして「楽しむ」。それを言葉だけでなく、実際に出来るようになりましょうと。将来チアリーダーになりたいとは思わなくても、チアで学んだことを将来、仕事や生活に活かせるようになることがわたしの夢です。

(取材・文/会津泰成)
 
(2回目に続く)

中山 麻紀子(なかやま まきこ)
11月20日生。千葉県出身。専修大学BLASTS在籍中、留学先のオレゴン大学DUCKSチアリーディングチームにてアシスタントを務め、チアを学ぶ。Xリーグオンワードオークス、スカイラークスで活躍。XリーグオールスターチアリーダーVENUS、USAオールスターズチアリーダーを経て、2002年単身渡米しNFLワシントンレッドスキンズチアリーダーズオーディションに合格。2004年まで3年連続メンバーとして活動。2005年プロ野球千葉ロッテマリーンズチアパフォーマー「M☆Splash!!」ディレクター、2007年JBL「レラカムイ北海道 チア&ドリルチーム ファンタマジック」ディレクター。現在、柏市町おこしチアリーダーチーム「柏Leaps」エグゼクティブプロデューサー。(株)チアリングインターナショナル代表。http://www.cheering.jp/
2008、2009年日米リーダーシッププログラム代表者。
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