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チアリーディングは、子供から大人までそれぞれの年代で楽しみながらできて、様々な効果が得られるスポーツです。単にダンスを踊るだけではなく、頑張っている選手やチームの応援を通して“一体感や感動を共有する”といったスポーツの新たな楽しみを知ることもできます...
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連載インタビューvol.3
前篇 後篇
安中 由香子 3歳から始めたクラシックバレエでは、トップレベルを目指す環境でしのぎを削り、大学から始めたチアリーディングでは、2つのオールスターチームで活躍。そんな安中由香子さんが、いま力を注いでいるのは、初心者の指導。偶然出あったチアに、「生きる力」をもらい、いまはそれを、より多くの人たちに伝える事に情熱を燃やす彼女に、話を伺いました。
 
「チアを教える」という事の魅力
 
Q. 指導者になったきっかけは、何だったんですか?

A. 踊ることは元々、大好きだったんですけど、じつは、人前に出るのはあまり好きじゃないんです。練習している方が好きなんですね。指導者になったのは、「カレッジスクールの講師をしないか」と誘われたのがきっかけでした。以前から、人前に出るチアリーダーを極めるよりも、わたしの場合は、指導者としてチアを極める事の方が向いていると思っていたので、喜んで引き受けました。

Q. 教えるのが好きなのは昔からですか?

A. はい。子供の頃から同級生に勉強を教えてみたりしていましたから、そうかもしれません。ダンスに関しても、現役時代は、小さい頃からクラシックバレエをしていたのを活かしてダンスの基礎という部分の指導をチーム内でしたりもしていました。
 
大人の初心者チアチームは3年半でメンバー200人
 
Q. いまのチーム(ANNYS)の指導は、いつから始めたのですか?

A. 2006年の10月からですね。いわゆる、「チーム」というより、いつでも好きな時に来て、好きな時に練習できるスタイルにしています。大会に出る事を目標に練習しているメンバーは50人強で、純粋に、チアを楽しむために練習しているメンバーは100人強。在籍者の合計で言うと、200人くらいかと思います。
 
怪我をしない”体の使い方”の大切さ
 
Q. 教える上で気にかけていることは?

A. 基本的には大人の初心者を教えているので、基礎的な体の使い方を大切にしています。ダンスは体を反ったりするので、体を痛めやすい。怪我をしないために、基礎的な体の使い方を身につけることは、チアを含めたダンスをする上で、重要な要素の一つだと思います。


Q. ある程度、レベルの高い生徒さんでも、それは同じですか?

A. 同じだと思います。わたしのところには、Xリーグのチアリーダーなど、プロのチアの子も20~30人通ってくれています。でも正直、基礎や基本が出来ていない子が多いように思います。
 
いつも100%の力を出す事の大切さ
 
Q. 安中さんは、大会で結果を出す事を指導者としてのモチベーションにするより、初心者がチアを好きになってくれる事のほうに重点を置いています。それはどうしてですか?

A. プロのチアリーダーを指導していたこともあったのですが、ある程度踊れる子というのは、サボるんですよ。自分はできるから、ついサボってしまう。こちらが「ちゃんとやって」と言っても、「本番できるから」みたいな感じで。もちろん、きちんとやっている子もいますし、本当の意味で一流と呼ばれる子は違いますけどね。いくら技術力があっても、そういう気持ちの子に教えることは、わたしは嫌なんです。わたし自身、現役時代は「本番もリハも100%、特に練習は120%」という気持ちで取り組んでいましたから。

Q. 練習で100%出せなかったら本番では絶対に力は出せない。

A. 間違いないです。なのに、プロとしてやっているにもかかわらず、サボってしまう子がいる。自信が、いつのまにか過信になっている子が多いように思います。でも初心者の子は、絶対に100%なんです。教え始めた頃はそれが新鮮でしたし、いまもやりがいを感じる部分です。じつは、この仕事を始めてから、プロのチームのディレクターのお話などもいただいたりするのですが、すべてお断りしてきました。わたし自身は、あくまでも初心者を教える事で、チアをやる人の幅、人数を増やしたい。チアをもっと知ってもらいたいし、もっと底辺を広げたい。これからも初心者の指導に力を注いで行きたいと思います。
 
チアは、チームワークの中で自分自身を高められるスポーツ
 
Q. 「チアの魅力は何ですか?」と聞かれたら、どう答えますか?

A. まず、何歳からでも、誰でも始める事が出来る、という事。わたしはずっとクラシックバレエをやっていましたが、バレエの場合は、それは難しい。始める年齢、出来る人というのも、限られてしまう。ですけど、チアの場合は、本当に何歳からでも始められる。それこそ、いまはシルバー世代のチームもあるくらいですから。笑顔で声を出しながら、みんなで協力し合える。こんな素晴らしい団体競技は、他にないと思います。

Q. クラシックバレエとチアの違いは、何だと思いますか?

A. クラシックバレエ時代は、結構、上のレベルを目指して取り組んでいたのですが、他の子との衝突もありましたし、正直、足の引っ張り合いも当たり前のようにありました。バレエの場合、主役、準主役といった具合に、同じステージに立てたとしても、役割に上下があるので、過剰なライバル意識が憎しみ合いにまで発展したりもしました。
バレエ自体は好きでしたが、そういう部分が嫌で、しょっちゅう、家に帰ってから泣いたりしていました。でも、チアの場合は、本当にチームワークのスポーツ。誰かが上手になったら、仲間同士で「良くなったね」と褒めたり励まし合ったりしながら、自分自身のレベルを高めていける。生徒さんには、チアのそういう素晴らしさを伝えていければと思います。


(取材・文/会津泰成)
 
(2回目に続く)

安中 由香子(あんなか ゆかこ)
9月16日生。3~17歳までクラシックバレエを小野正子・北原秀晃に師事。学習院大学応援団チアリーダー部 SPARKSでチアリーディングを始め、全日本学生選手権 3位、日米選手権 9位。Xリーグクラブハスキーズで活躍。2003~6年USAオールスターチアリーダーズ、2005年XリーグオールスターVENUSに選抜。USAイベントディレクターを経て、現在、会社員の傍ら、チアダンスチームANNYS主宰。
ANNYSホームページ
 







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