ダズリング・スタイル 輝き続ける女性のためのWEBマガジン
HOME > 連載一覧 > vol.1 福田里奈(前篇)
ダズリング・スタイルとは
チアリーディングは、子供から大人までそれぞれの年代で楽しみながらできて、様々な効果が得られるスポーツです。単にダンスを踊るだけではなく、頑張っている選手やチームの応援を通して“一体感や感動を共有する”といったスポーツの新たな楽しみを知ることもできます...
続きを読む...
会津泰成公式ウェブサイト

PEPsチアリーダーズ
連載インタビューvol.1
前篇 後篇
福田里奈(ふくだ りな) 名門チームでチアダンスを始め、世界大会出場経験もある福田里奈さん。現役引退から2年半、指導者になって1年半。いま子供たちに指導する上で大切にしている事は何か。そして、「自信があるように見られがちだけれど、本当はいつも不安でいっぱい」と答える彼女が、どのようにして自信をつかんできたのかを聞いてみました。
 
大切なのは、子供たちの可能性を本気で信じ続けること
 
Q. 子供に指導するようになって、感じる事は何ですか?
 
A. 現役時代も、大人向けに単発で指導をした事は何度かありました。大人の場合は、こちらの言う事をわりと素直に聞いてくれる。でも、本心では気に入らないと思っていれば、黙ったまま離れていきます。子供の場合は、反応がストレートに現れます。こちらが本気で相手を愛して発した言葉でなければ、受け入れてくれない。適当な気持ちで叱っても、聞いてはくれません。裏表がない分、良いときも悪いときも反応が素直なんですね。なので、大人と向き合う時以上に、褒める時も叱る時も、こちらも素直にというか、より本気で向き合わなければ、心を開いてもらう事は出来ません。だからこそ、やりがいも感じますけど。
 
Q.指導者としてやりがいを持てるようになるまで、どれくらいかかりましたか?
 
A. 最初の半年間は葛藤の毎日でした。自分の指導方法が合っているのかどうか、よくわからずにいましたから。毎日家に戻っても、もやもやしていましたが、子供たちは、わたしのそういう気持ちを敏感に読み取っていました。わたしが迷う事で、子供たちも壁を感じてしまっていた。スキルアップ出来ずにいた理由はそれだと気付いた時、これではいけないと。わたしがそう思っていて、子供たちがのびるはずがない。本気で子供たちの可能性を信じてあげなければ、出来る事も出来なくなると気付きました。
 
「あの場に立ちたい!」と思った瞬間
 
Q. そもそも、チアをはじめたきっかけは何だったんですか?
 
A. 小学6年生の時、中学受験の下見を兼ねて嘉悦(現・かえつ有明学園)の学園祭に行ったんです。最初は嘉悦に入学したい気持ちはなくて、滑り止め程度にしか考えていませんでした。でも、その時、チアのパフォーマンスを見て鳥肌が立ったんです。全校生徒が注目していて、歓声がキャーキャーあがっていた。「わたしもやりたい! あの場に立ちたい!」と、チアの虜になってしまったんです。親は4年制大学の付属に行かせたいと思っていました。実際、合格もしたんですが、最終的には、両親の反対を押し切って嘉悦に入学しました。母親は最後まで悩んで、合格した中で一番難しい学校の入学金も払ってくれていたようでしたが、最後は父親が「本人が行きたいのなら、そうさせてあげようじゃないか」と説得してくれました。
 
厳しい練習が自信を与えてくれた
 
Q. 実際、名門チアリーダー部の門を叩いてみての感想は?
 
A. 部員は100人以上いました。その中からトップチームのユニフォームを着られるのはごく僅かで、最上級生になるか、もしくはAチームに入るかしない。40人前後いた同級生も、厳しい練習に耐えられなくてどんどん辞めていき、最終学年まで続けたのは11人でした。当時は「365日、360日練習」という生活で、朝も昼も夜も練習。想像を絶するような世界でした。
 
Q. 厳しい練習に耐えられた理由は、何だと思いますか?
 
A. やっぱり、小学6年生でみた学園祭のパフォーマンスの印象ですね。あのお姉さんたちのキラキラした姿は、いまも覚えています。あと、中学に入学してから、実際に高校の先輩に教えていただけた事も大きかったですね。雲の上にいるような先輩方に直接教えていただけた事で、より夢中になりました。
 
Q. チアを始めた当初、苦労した事は何かありましたか?
 

A. 身体が堅かったことです。実は3歳までは、股関節が悪くてギプスをはめていました。チアを始めた頃も、医師からは「開脚運動は絶対に駄目です」と言われましたが、チアは開脚が出来ないと何も始まらないので、少しずつ慣らしていきました。あと、食が細くてやせすぎていたので、太る努力もしましたね。半年で10キロ増えました。でも無理をして太ったというより、毎日練習をしていて自然とお腹が空くようになり、三食きちんと食べられるようになった結果でした。それまでは、ハンバーガーひとつも食べ切れない子で、母親も食事には苦労していたようです。体力がつくと筋力もつき、練習にもついていけるようになった。これは自信になりましたね。


(取材・文/会津泰成)

 
(2回目に続く)

福田 里奈 (ふくだ りな)
1月13日生。東京都出身。嘉悦女子中学でチアダンスを始め、中学・高校時代2度の全国大会優勝・世界大会出場を経験。Xリーグ日産スカイライナーズ時代には、オールスター『VENUS』に2001年~5期連続で選出された。イベント・メディア出演経験も豊富。
連載 Interview 一覧
▲このページの先頭へ戻る
一覧はこちら