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大切なのは、子供たちの可能性を本気で信じ続けること |
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Q. 子供に指導するようになって、感じる事は何ですか? |
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A. 現役時代も、大人向けに単発で指導をした事は何度かありました。大人の場合は、こちらの言う事をわりと素直に聞いてくれる。でも、本心では気に入らないと思っていれば、黙ったまま離れていきます。子供の場合は、反応がストレートに現れます。こちらが本気で相手を愛して発した言葉でなければ、受け入れてくれない。適当な気持ちで叱っても、聞いてはくれません。裏表がない分、良いときも悪いときも反応が素直なんですね。なので、大人と向き合う時以上に、褒める時も叱る時も、こちらも素直にというか、より本気で向き合わなければ、心を開いてもらう事は出来ません。だからこそ、やりがいも感じますけど。 |
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Q.指導者としてやりがいを持てるようになるまで、どれくらいかかりましたか? |
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A. 最初の半年間は葛藤の毎日でした。自分の指導方法が合っているのかどうか、よくわからずにいましたから。毎日家に戻っても、もやもやしていましたが、子供たちは、わたしのそういう気持ちを敏感に読み取っていました。わたしが迷う事で、子供たちも壁を感じてしまっていた。スキルアップ出来ずにいた理由はそれだと気付いた時、これではいけないと。わたしがそう思っていて、子供たちがのびるはずがない。本気で子供たちの可能性を信じてあげなければ、出来る事も出来なくなると気付きました。 |
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「あの場に立ちたい!」と思った瞬間 |
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Q. そもそも、チアをはじめたきっかけは何だったんですか? |
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A. 小学6年生の時、中学受験の下見を兼ねて嘉悦(現・かえつ有明学園)の学園祭に行ったんです。最初は嘉悦に入学したい気持ちはなくて、滑り止め程度にしか考えていませんでした。でも、その時、チアのパフォーマンスを見て鳥肌が立ったんです。全校生徒が注目していて、歓声がキャーキャーあがっていた。「わたしもやりたい! あの場に立ちたい!」と、チアの虜になってしまったんです。親は4年制大学の付属に行かせたいと思っていました。実際、合格もしたんですが、最終的には、両親の反対を押し切って嘉悦に入学しました。母親は最後まで悩んで、合格した中で一番難しい学校の入学金も払ってくれていたようでしたが、最後は父親が「本人が行きたいのなら、そうさせてあげようじゃないか」と説得してくれました。 |
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厳しい練習が自信を与えてくれた |
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Q. 実際、名門チアリーダー部の門を叩いてみての感想は? |
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A. 部員は100人以上いました。その中からトップチームのユニフォームを着られるのはごく僅かで、最上級生になるか、もしくはAチームに入るかしない。40人前後いた同級生も、厳しい練習に耐えられなくてどんどん辞めていき、最終学年まで続けたのは11人でした。当時は「365日、360日練習」という生活で、朝も昼も夜も練習。想像を絶するような世界でした。 |
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Q. 厳しい練習に耐えられた理由は、何だと思いますか? |
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A. やっぱり、小学6年生でみた学園祭のパフォーマンスの印象ですね。あのお姉さんたちのキラキラした姿は、いまも覚えています。あと、中学に入学してから、実際に高校の先輩に教えていただけた事も大きかったですね。雲の上にいるような先輩方に直接教えていただけた事で、より夢中になりました。 |
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Q. チアを始めた当初、苦労した事は何かありましたか? |
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