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チアリーディングは、子供から大人までそれぞれの年代で楽しみながらできて、様々な効果が得られるスポーツです。単にダンスを踊るだけではなく、頑張っている選手やチームの応援を通して“一体感や感動を共有する”といったスポーツの新たな楽しみを知ることもできます...
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PEPsチアリーダーズ
連載 article vol.29
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今年で3期目を迎えたSparkles。発足当時からのメンバーは、試合出演も3シーズン目ということになります。「スワローズと言えば!」の『東京音頭』以外のダンス曲は変わるとはいえ、出演までの準備や当日の流れ、そしてSparklesとしての大切にしている軸の部分はずっと変わりません。
今回は2012Sparklesの“デビュー戦”ではありましたが、2年間の積み重ねの中で育まれた力が随所に見られた2日間でもありました。
 
積み重ねで強まった「3つの力」
 
Sparklesでは毎年、春と秋に新メンバーを募集しています。秋メンバーはシーズン後の『ファン感謝デー』がデビューとなるため、去年の秋メンバーにとっては今回が初めての試合出演。でもお客様の前では、そんなことは関係ありません。メンバーの経験値が様々な中、チームとして一つにまとまって、質の高いパフォーマンスを行うために、互いに助け合い、高め合って本番に向かっていきます。

積み重ねの成果その1は「対応力」。
この時期、神宮球場では東京六大学野球の試合が行われています。ご存知の方も多いと思いますが、神宮球場は東京六大学野球連盟のリーグ戦開催球場であり、他にも東都大学リーグや高校野球の東京予選大会などが行われ、戦前は「アマチュア野球の聖地」と言われたほどの球場なのです。
今回のように大学野球の試合がある時は、それが終わってからプロ野球の準備に入ります。選手・スタッフはもちろん、観客も総入れ替え。球場中が混み合い、たくさんの人が慌ただしく動きます。当然、Sparklesがリハーサルを行う時間も余裕もありません。9割が試合出演経験者とはいえ、試合に出演するのは7ヶ月ぶり。しかも、曲によっては踊る位置や入退場の経路が今までと変わっているので、全員“初めて”みたいなものです。
そこで発揮されるのが「対応力」です。 ひとりひとりフィールドの平面図と自分が立つ位置から見える目印をイメージし、自分の両隣・斜め前に立つチームメイトの顔をしっかり頭に刻んで本番に臨みます。リハーサルなしのぶっつけ本番。さらに当日欠席で直前にフォーメーション変更があったにも関わらず、大きな失敗なくパフォーマンスをやり遂げたのは、対応力が身についてきたからこそでしょう。 特に、3回表後の出番は、パフォーマンスの趣向も動きもガラッと変わった今シーズン用の新曲。デビュー戦ということで高学年クラスのみの出演でしたが、“初めて”を微塵も感じさせない堂々としたパフォーマンスでした。

その2は「修正力」。
その1とも関連しますが、予定や想定と“違う”ことを認識して、“正しくしよう”とする力=修正力がレベルアップしました。
各自がしっかり準備してきたつもりでも、本番で思い描いた通りにいかないことはままあります。列が曲がっている、間隔が均等になっていない等々“違う”ことが起きた時、対処できるか?「修正力」が試されます。
今回のSparklesは“違い”に気づいて修正するに止まらず、全体のバランスを考え、本来立つべき場所では却ってバラバラに見えてしまうようだったら本来の位置から少しずらして立つ、そしてその隣のメンバーもその調整に合わせ自らの位置を再修正して立つ、という高レベルの修正力を見せていました。
また、1日目に注意されたことをすぐ翌日に生かす修正力もレベルアップしていたようでいた。

そして、その3が「チーム力」です。
チアリーディングはチームスポーツです。常にチームワークが求められます。第1期の頃から仲の良いチームでしたが、ごく自然に互いを思いやり協力しあえている場面が、今回よく見られました。例えば、2日目。大学野球の試合が長引き、控室入りが通常より40分も遅れてしまった時のことです。フォーメーション変更もあるので急いで着替えて確認しなければなりません。そんな中、昨年より人数が増えて手狭になった控室で皆が手早く着替えられるように自発的に譲り合い、場所を作り合い、空いているスペースがあれば教え合って、短時間で見事に準備を完了しました。
さらに、学年や入会時期に関係なく注意し合う様子も見られたのも大きな進歩。まだまだ注意できるメンバーが限られていたり、注意された時は改まるのにすぐに忘れて注意されたことを守れなくなってしまったり、というところもありますが、それらもこれから改善されていくだろうと期待させるチーム力を感じました。
 
さらなる成長への課題
 
次の試合出演からは今年4月から加わった新メンバーも出演していきます。今回出演したメンバーは、自身が今回以上のパフォーマンスをすることはもちろん、先輩として後輩の新メンバーたちが、楽しく思いっきり力を発揮できるようサポートしなくてはなりません。「自分だけが上手くできれば良い」はチアリーダーではないからです。
加えて、今回何度も先生に注意されたことがありました。一つは「メリハリ」。休憩時間は、リラックスして楽しく過ごす。でも、いざ本番となったら、パフォーマンスに集中!チーム一丸でより良いパフォーマンスを目指します。オンとオフの切り替えが大切なのです。
もう一つは「臨機応変さ」。対応力の中にもだいぶ臨機応変さが発揮できるようになってきていますが、全員が発揮できるようになれば、もっとパフォーマンスの質が上がって観客の皆さんを楽しませることができますし、自分たち自身の楽しさも膨らみます。
そして「チアリーダーらしさ」。チームワーク、思いやり、向上心、責任感、チーム愛、いろいろ詰まっているはずです。自分にとってもチアリーダーらしさ、自分が目指したいチアリーダー像は何か?それを考えるだけで、きっと成長のステップが踏めるはずです。

「選手と同じ場所で踊っているメンバーを見て、自分もあそこに立つんだと実感した。 すごいことだと思った。」

「前にも、横にも、後ろにもたくさんの人がいて緊張した。
どこから見ても素敵なパフォーマンスをしたい。」

「パフォーマンスのことだけじゃなく、控室の過ごし方もしっかりしたい。」

「列をとるのが難しいけど、みんなで意見を出し合って直していきたい。
列だけでなく、いろいろな場面で力を合わせてがんばる!!」

「外野でのフォーメーションをBLUE(低学年クラス)がうまくとれなかったので、残念。
次は新メンバーも出るから、リードできるようにがんばる!」

「今シーズンはじめてで、思っていたよりはよくできたと思う。
でも列のとり方やダンスの細かい部分など直すことはまだあるから、次はもっと成長した姿を見せたい。
球場にいる人みんなのパワーになれるような存在になりたい。」

「お客さまが一緒に手拍子してくれて嬉しかった。
やっぱり神宮で踊るのはとっても楽しい!!と思った。」


次回が試合出演デビューとなる新規メンバー、今回が初の試合出演となったメンバー、2シーズン目となったメンバー、最多の3シーズン目となる発足メンバー、それぞれ発見や思うところがあったようです。

Sparklesはスワローズの公式ジュニアチアリーディングチームです。その大きな役割の一つは、言うまでもなく“スワローズの応援と、スタジアムの盛り上げ”です。まだまだ2012シーズンの試合応援は始まったばかり。今回よりも次回、次回よりも次々回、より成長したSparklesでスタジアムを盛り上げ、スワローズに勝利へのパワーを伝えられるようがんばりましょう!
 
 
 
Sparkles (スパークルズ)
プロ野球東京ヤクルトスワローズの公式ジュニアチアリーダーチームとして2010年に発足。2012年5月現在、小学1年生~中学3年生まで51名が在籍。神宮球場近くのスタジオで週1回レッスンを行い、週末に行われる神宮球場でのスワローズ主催試合での応援パフォーマンスやイベント出演などを中心に活動している。

■HP:http://www.yakult-swallows.co.jp/guide/sparkles/

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