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ジュニア世代を中心にさまざまな形態のチアチームを手がける株式会社PEPs。「スタッフは全てチア経験者の女性」という同社の取り組みや特徴については、これまでも折に触れて紹介してきたが、今回は、その現在(いま)と今後について考えてみたい。 |
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株式会社PEPsでは、PEPsチアリーダーズのほかにも、プロ野球・東京ヤクルトスワローズ、サッカーJリーグ・ジュビロ磐田などプロスポーツチームの公式ジュニアチアリーディングチーム、習い事としての要素も強いスポーツクラブのチアスクールなど多様なチームを指導・運営している。そうした中、現在、ジャンルやレベルに関係なく共通の取り組みとして目指しているのが、YOUTHチームの充実だ。
その先駆けといえる存在が、PEPsチアリーダーズのYOUTHチーム。今後はメンバーをさらに増やし、技術を磨き合える環境を整えてゆく事でチームとしてのレベルアップを図ってゆく事が課題と考えている。
指導者についてもまた同様で、活動の目的や立場、レベル、チアへの思いもそれぞれ違う子どもたちを指導する事で、「奥行きのある指導」を目指してきた。技術だけでなく心のあり方まで求められるため、新しく指導者を育てることも簡単ではない。しかしローマは一日にしてならず。PEPsは手間隙をかけても長い目で見れば大きな実を結ぶ手法を選んでいた。このDazzling StyleというWEBマガジンを立ち上げたのも、そうした活動の一環と言えるかもしれない。 |
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さて、前回でも触れたように、Dazzling Styleで自分が担当する連載は今回で一旦終了する事になった。振り返れば、25シリーズ、2010年2月15日スタートなので、丸2年も取材し続けた事になる。この間、人物インタビューだけでなく昨年3.11後の、ベガルタ仙台のチアリーディングチームの活動リポートなど、チアに関するさまざまな取材をさせて頂いた。
数多くのチア指導者と接して感じたのは、現役時代にトップで活躍していたチアリーダーであっても、引退した後も「チアが大好き」という強い気持ちを持ち続けている事だ。「そんなの当たり前でしょ」と言われてしまうかもしれないが、例えばプロ野球やプロのサッカー選手の場合、現役を退いた途端に競技そのものから離れてしまう例が実は少なくない。自分も今まで数多くのプロ選手の取材をさせて頂く中で、そういった姿をいくつも見てきた。子どもの頃から勝負の世界に身を置き、その競技一筋に生きてきた事で、プレーヤーという立場から離れた途端、競技自体に対してまで燃え尽きてしまうのだ。
チアリーダーの場合、トップで活躍していた人が引退してすぐ指導者になる、あるいは現役のまま後進育成を始めるケースは多い。もちろん勝ち負けを競う野球やサッカーと、誰かを応援する事で充実感を得るチアを単純には比較出来ない。しかし、「どちらも高いプロ意識を持ち、自分が生きる世界で懸命に頑張ってきた人」という枠で括って考えた場合、チアという競技に関わる人のほうが、燃え尽きてしまうケースは少ないように思えた。現役であろうと指導者であろうと関係なく、同じモチベーションで取り組めて輝き続けられる。そうした特長がチアにはあり、また良い意味で他スポーツとは違った部分であるように思えた。
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「わたしが今後、取り組んでいきたいと考えているのはプロスポーツにおけるチアの普及よりも、子どもたちにチアの良さをもっとダイレクトに伝えられるような活動です。そのためにはやはり、指導者の育成をさらに充実させていかなければいけないと思っています。いま何が大切な事か、わたしに出来る事は何かを考えた時、真っ先に思ったことが指導者同士の横のつながりをより強くすることでした」
久々にまた一緒に仕事を、という話になった時、PEPsの塩崎佐恵プロデューサーはそう話した。そして、企画されたこのDazzling Styleでの連載を通じて、指導者の横の繋がりは確実に広がり、CUPなどのイベントを始め、チア界全体に新たな膨らみを生みつつある。自分が担当する連載は終わるが、今後はそうした活動がさらに広がり、子どもたちが笑顔になれる場が増えていってくれたらと思う。
最後に。取材に協力して下さったチアリーダーのみなさん、連載を読んで下さった読者のみなさんには感謝の気持ちでいっぱいです。今後も陰ながらチア界&チアリーダーを応援して行きます。そしていつかまたチアの活動に貢献できるようなイベントが企画できたらと思っています。その時はよろしくお願い致します。
ありがとうございました。 |
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