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チアリーディングは、子供から大人までそれぞれの年代で楽しみながらできて、様々な効果が得られるスポーツです。単にダンスを踊るだけではなく、頑張っている選手やチームの応援を通して“一体感や感動を共有する”といったスポーツの新たな楽しみを知ることもできます...
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PEPsチアリーダーズ
連載インタビューvol.6
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大学卒業後は銀行に入行し、Xリーグチアで活動。同時にクラブチームでも活動をするなど、二十代はまさにチア一色の生活だった。2002年には、チアを志す者の多くが憧れるNFLにも挑戦。最終選考で惜しくも夢かなわなかったが、彼女のチャレンジスピリットが燃え尽きる事はなかった。
 
NFLのチアになりたい!
 
Q.NFLチア最初の挑戦はサンフランシスコ・49ersと聞いています。結果はどうだったのでしょうか?

A.一緒に行った仲間のうち、二人が合格して、私はファイナルで落ちてしまいました。この悔しさが、私に本気で「NFLのチアになりたい」という気持ちを呼び起こしたように思います。ファイナルまで残るのも大変と言われていますが、最後の最後で落ちたことで、より一層悔しさが増しましたね。

Q.翌年には再渡米をして、見事オークランド・レイダースに合格したんですよね?

A.嬉しかったですね。でもビザが発行されず、結局3ヶ月しか所属できませんでした。当時は同時多発テロの直後でビザ発行の審査が非常に厳しい時期でしたから、仕方なかったんですが……。練習自体には参加していて、本番の準備もしていたのでショックでした。
それで翌年、今度はシアトル・シーホークスを受験して合格しました。シーホークスでは、チームディレクターやスタッフが親身に対応してくれてビザの問題もクリア出来ました。メンバーも、わたしが車を持っていないと知ると練習場まで乗せて行ってくれたり。たくさんの人に助けて頂いて、当時の感謝の気持ちはいまも忘れていません。
 
全てを賭けた挑戦の、その後
 
Q.シーホークスのチアの活動を終え、日本に戻ってからはどうされていたのですか?

A.帰国してしばらくは、気が抜けてしまっていましたね。後先考えず、全てを賭けて挑戦した後でしたし。銀行時代に貯めていたお金も2年間でほぼ使い切ってしまったので、仕事をしなくてはならない。
でも、その時もまわりの人たちが応援してくれたんです。「ここまで頑張って続けてきたのだから、チアの経験を生かせる仕事をしたほうが良い」とアドバイスをしてくれたり。それでわたしも、「頑張ってみようかな」と思えるようになりました。
 
体験会参加0人から生徒数1,000人のスクールへ
 
Q. 具体的にはどういう活動を?

A. 最初は、チームのディレクションがしてみたいな、と思っていたので、JリーグやVリーグのクラブに企画書を持って行ってみたりしました。でもコネがあるわけでもないし、当時はチアの存在自体もあまり重要視されていなかった事もあって、どこも駄目でした。でも、そうしていろいろ探しているうちに、「キッズのスクールなら」と手を上げてくれる所が出てきたんです。調布市のNPO団体でした。でも、始めは体験会を開いても一人も集まらなくって。

Q. そこから、どのようにして現在のような状態になって行ったんですか?

A. ビラを配って宣伝をしても全然駄目でしたが、ある時、調布市の方が、地元の新聞に掲載してくださったんですね。そうしたら瞬く間に増え始めた。10人、20人と増えてゆき、そのあとゴリエブームの後押しもあってさらに増えました。そのスクールには今は100人以上の生徒が通ってくれています。他スクールも入れると1,000人以上の生徒がチアを楽しんでくれています。
 
指導者として育ててもらっている
 
Q. 指導者として大切にしている事は何ですか?

A. 常に「わたしも一緒に成長していこう」という謙虚な気持ちですね。わたしは先生という立場ですが、指導者という機会を与えてもらえた事で、逆に「子供たちに育てもらっているんだ」と思いながら日々過ごしています。
自分が成長するために、ストレッチ方法の勉強をし直したり、体の仕組みを学んだり等もしています。また技術だけでなく、どうすればチアの魅力が伝わるかを今でも日々勉強中です。
 
Q. 2005年からは、bjリーグ大阪エヴェッサのダンスチーム、「bt」のプロデューサーを務めるなど、本当に幅広く活躍されていますよね。

A. btのプロディーサー業務は、子供たちへの指導とは違い、「プロ」のチアリーダー、エンターテイナーとして、どう観客を引き込めるか、楽しんでもらえるかなどに重点を置いて構成を考え、メンバー一人一人の「個性」を大切にしながら指導をしています。
彼女たちが表舞台で活躍できるのには、多くのスタッフさんや裏方さんの力があるからなので、いつも感謝の気持ちを持つようにも言っています。そして一社会人として、女性として憧れてもらえる存在になってほしいと常に話しているので、指導している私自身もきちんとしていかなければと思っています。


(取材・文/会津泰成)
   


 

ち こ
5月21日生。東京都出身。桜美林大学チアリーディング部ではキャプテンとして活動。Xリーグ オンワードスカイラークスでチアリーダーオブザイヤー受賞。1999~2002年USAオールスター、2001~2002年Xリーグオールスター『VENUS』に選出。数々のイベントに出演。2002年米国オークランドレイダー『スレイダレッツ』合格、2003年NFLシアトルシーホークスチアリーダー『シーギャルズ』メンバー。
Bjリーグ大阪エヴェッサ オフィシャルダンスチーム『bt』プロデューサー
『大阪エヴェッサ』http://www.evessa.com/
『bt』http://bt.evessa.com/
チアクリエーション代表
http://cheer-c.jp/
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