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連載インタビューvol.2
前篇 後篇
三田 ジョンストン 智子 自ら呼びかけて大学で創設したチームは初出場で全日本優勝、その後も単身渡米して全米優勝、NFLの名門チームでの活躍。帰国後は、日本のプロスポーツのチアチームを結成・指導するなど常に第一線で活躍してきた三田智子さん。「人の敷いたレールの上じゃなく、自分で切り開いていく方が好き」と言う彼女の生き方を通してチアへの想いを聞いてみました。
 
チアの素晴らしい文化に感動した世界大会
 
Q. チアを知ったのは?

A. 元々はバトントワリングをしていて、高校二年生の時、世界大会に出場しました。そこでチアと初めて出会いました。一年目はバトンの選手を6人集めたメンバーの一人として出場、二年目はミスドリルという、ソロでのダンス部門に出場していたのですが、チアの部で出場していた子たちが、まるで仲間のように、わたしを応援してくれたんです。 一人で心細かった時、同じ選手という立場の人から励まされた。すごく新鮮でしたし、素直に嬉しかった。「ああ、こんな素晴らしい文化の競技があるんだ」と、感動した。それが、わたしとチアの最初の出会いでした。

Q.ライバルを応援する競技など、普通ありえませんよね。

A. そうですね。その大会でもチアの選手たちが、「チアもバトンもライバルも関係なく、みんなで大会を楽しんで盛り上げましょう!」みたいな雰囲気を作っていました。わたしは、チームとして活動を始める前までは、「仲間を大切にする」とか「仲間と一緒に演技を高めていく」という感覚はありませんでした。まして、ライバルを応援する事なんて、なかなかチアを始める前までは信じられませんでした。
 
自分で理想のチームを作ろう!
 
Q. 実際、始めてみてからは?

A. 「これからは本気でチアに取り組もう」と思い短大に入学したのですが、イメージしていたようなチームとは、ずいぶん違っていたんです。体育会とは程遠い、半分、趣味に近いノリというか……。ならば、自分で本格的なチームを作ろう、と決めました。そういう話を友達にしたら有志が集まり始め、5人が10人、10人が20人になり、みたいな感じで、仲間がどんどん増えていきました。その集まった仲間の知り合いに、たまたまチアをやっていた方がいて、最初はその方から習ったりしていました
 
初出場でいきなり全日本優勝!全米学生選手権出場!!
 
Q. バトンのソロ競技は、個人の努力で出来る。でもチアは、チームで表現する。そのあたりの難しさや戸惑いはありませんでしたか?
 
A. メンバーは、全くの素人もいれば、バレエを何十年も続けてきていた子もいました。踊りの基礎が出来ている子は、半分くらいでしたね。演劇からきた子もいて、とにかく、いろいろな子がいた。でも、だからこそおもしろいものが作れたように思います。初めて誕生したクラブだったから固定観念もなかった。全日本で優勝するようなチームになれたのも経験者が少なかった事が、逆に、良いほうに作用したように思います。

Q. いま、お話に出ましたが、初出場で全日本優勝という快挙を達成しました。

A. はい。でも最初は、「初出場で初優勝を目指しましょう!」なんて言っていたのは、わたしだけ。(笑)。まわりからは「えーっ!?」みたいな目で見られていました。でも、本当に初出場で初優勝する事が出来た。で、「このチームならアメリカの大会にも出場出来る」と協会から推薦されて、全米学生選手権に出場する事になりました。
 
願いは思い続ければかなう
 
Q.いま、簡単に説明していますけれど、ものすごい快挙ですよね。当時は相当な努力と苦労があったように思うのですが。

A. まあ、どうでしょうか(笑)。そうですね、学校からお金の補助は出ないので自分たちで月謝を集めて先生を呼んだり、練習場所がなくて公園の砂場や高速道路の下でしたり・・・みたいな事はありました。でも、わたし自身は、「努力した」とか、「苦労した」とは思っていません。だって、自分の好きな事を、ただ思い切りやっていただけですから。
 
Q.でも、おそらく、まわりから見たらそう映っていたように思います。

A. いえいえ(笑)。でも、仲間や応援してくださる方々には、本当に恵まれたと思っています。それは、いまでもすごく感謝しています。

Q.全米選手権では6位入賞しました。

A. はい。そこから、わたしの人生は大きく変わっていきました。いまの自分につながる原点というか。当時の感動は、おそらく一生忘れられないでしょうね。「願いは思い続ければかなう。何事も、やればやっただけの事は返ってくる」と思えるようになった最初のきっかけは、間違いなく、全日本優勝と全米選手権出場という出来事があったからです。


(取材・文/会津泰成)
 
(2回目に続く)

三田 ジョンストン 智子
 (みた じょんすとん ともこ)
5月22日生。玉川学園女子短期大学在学中に、チアダンスクラブ、『玉川大学体育会ダンスドリルチーム JULIAS』創設。1993年、学生選手権制覇。1994年渡米し、オクラホマ州立大学留学。のちスティーヴン・F・オースティン州立大学のメンバーとして、全米大学学生選手権大会優勝。NFL、ダラス・カウボーイズ、シアトル・シーホークスなどで活躍。2001年帰国後、『有限会社ダンス・チアーエンタテインメント』設立。
 







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